みなさんはルーターの機能をすでに知っていても、具体的なルーティングの設定方法をそこまで知らない可能性があります。この文章では、ルーターやルーティングに詳しくない方のために、今さら聞けないルーティングとルーティング設定の基礎知識を紹介します。これくらい押さえていれば、万が一の障害時でも安心です。
1 ルーティングとは
1.1 ルーティングの仕組み
ルーティングとは、あるコンピューターから送信されたデータ (パケット) を目的のコンピューターに正しく転送するプロセスです。インターネットは複雑なネットワークで絡み合っているので、目的地にたどり着くには誘導してくれるシステムが必要です。ルーティングは、どのネットワークを介してデータを送信先のコンピューター/サーバーに送信できるかの正しい選択をします。
ルーターは、ルーティングテーブルに基づいてデータをルーティングします。ルーティングテーブルは経路制御表と理解してよいでしょう。メッセージに宛先IPアドレスが記載されているので、宛先IPアドレスが指定されている場合、どの経路をたどればよいでしょうかを判断します。
1.2 ルーティングの種類
ルーティングテーブルには、スタティックルーティング「Static Route」とダイナミックルーティング「Dynamic Route」のニ種類があります。メーカーによって細かい種類がありますが、ここでは大まかな二つのルーティングの枠組みとその設定について説明します。
スタティックルーティングとは静的ルーティングのことで、いつも決定済みのルートにルーティングします。各セグメントのネクストホップ(次に通過するルート)を静的に決定できるので、ルーター間のルーティング情報トラフィックが減少します。また、ネットワーク負荷が比較的低いというメリットもあります。
一方で、ダイナミックルーティングとは動的ルーティングのことで、ルータ間でいつもルート情報を交換し、最適なルーティングテーブルを常に更新するルーティングテーブルです。
2 ルーティング設定の方法
それぞれのルーティングテーブルには違うプロトコルがあり、設定方法もそれなりに違います。ここでは、ルーティング設定の基本的な手順を紹介します。
2.1 スタティックルーティングの設定手順
①VLANを作成し、VLAN にインターフェースを追加して、VLANIFインターフェースにIPアドレスを割り当てます。
②双方向のデータトラフィックでスタティックルーティングを設定します。
③ホストのIPアドレスとデフォルトゲートウェイを設定します。
2.2 ダイナミックルーティングの設定手順
①設定で使用するダイナミックルーティング要素を作成します。
②テキストエディターで、ファイアウォール、ファイアウォールクラスターまたは仮想ファイアウォール関連のダイナミックルーティング設定をします。
③ダイナミックルーティング設定をプレビューして、ルーティング設定が意図したとおりであることを確認します。
3 まとめ
ルーティングの仕組みと分類や、それぞれの基本的な設定手順について紹介しました。スタティックルーティングとダイナミックルーティングはそれぞれのメリットとデメリットがあり、設定方法もこういう特徴に応じて違っています。