Wi-Fiのアンテナというと、馴染みのない人は多いだろう。昔の古い電話にはアンテナがはっきり見られますが、今は一般的ではありません。実は、私たちの携帯電話やパソコンなどにはアンテナが埋め込まれています。ここで、アンテナとアンテナがWi-Fiへの影響などのことを詳しく解説します。
1Wi-Fiのアンテナについて
1.1 Wi-Fiのアンテナとは
Wi-Fi機器には、他の機器とデータを送受信するための部品である「アンテナ」が搭載されています。これらのアンテナは「ストリーム」とも呼ばれ、スマートフォンやノートパソコン、Wi-Fiルーターなどに搭載されています。
1.2 アンテナ数のマーク
機器によって搭載されている「アンテナの本数」に違いがあり、Wi-Fiルーターのカタログや製品パッケージを見たことがある方は、2本(2×2)、4本(4×4)と表記されていることが分かると思います。
1.3内蔵アンテナと外付けアンテナの違い
Wi-Fiルーターには、「内蔵」または「外付け」アンテナがあります。内蔵アンテナの場合、製品の周囲に球状に広がっており、全体をカバーしたい場合におすすめです。外部アンテナの場合、信号を強くしたい方向によって、「信号の方向」を調整することができます。
1.4 SU-MIMOとは
Wi-Fiルーターには「3×3」の数のアンテナがあり、ノートパソコンにも「3×3」の数のアンテナがあります。このようにアンテナが複数ある場合、「1台の機器から複数のアンテナでデータを送信する」ことが可能になります。動画のような大容量データでは当然ながら高速化されます。この技術はSU-MIMO(Single User MIMO)と呼ばれる。
1.5 MU-MIMOとは
「複数の端末とも、同時に送受信を行う」ことができます。この技術を「MU-MIMO(Multi User MIMO)」(えむゆーまいも)と呼びます。Wi-Fi6(IEEE802.11ax)では、最大8端末と同時に送受信が可能となっています。
1.6 SU-MIMOとMU-MIMOの違いをもう少し
SU-MIMOは、「同じ時間帯に、複数のアンテナを使用できますが、1台ずつ」しか通信ができないため、アンテナが空いていても使用されません。ところが、MU-MIMOであれば、「同じ時間帯でもアンテナに空きがあれば、同時通信が可能」になります。あまっているリソースをうまく割り当ててくれるので、無駄を減らすことが出来ます。
2アンテナがWi-Fiへの影響
2.1 アンテナの本数による影響
Wi-Fi規格とアンテナ本数の速度関係 | |
11ac | 11n |
1本:433Mbps | 1本:150Mbps |
2本:866Mbps | 2本:300Mbps |
3本:1,299Mbps | 3本:450Mbps |
4本:1,733Mbps | 4本:600Mbps |
Wi-Fiのアンテナは最小1本、最大8本で、アンテナが多いほど速度が速くなります。しかし、Wi-Fi通信は親機と子機の間で行われるため、一方の機器が他方の機器より多くのアンテナを持つことは考えにくい。例えば、親機が4本、子機が2本のアンテナを持つ場合、アンテナの少ない子機は2本に合わせて通信するので、2台分の速度しか出ません。 子供用はアンテナが1本か2本のものが多いので、4本や5本のアンテナを持つWi-Fiルーターを購入しても、そのスペックを生かすことはほとんどないでしょう。
スマートフォンは最新機種でも11acアンテナ仕様(最大866Mbps)が2つあるものが多いので、この規格に対応したWi-Fiルーター(母機)を購入するのがよいでしょう。購入時にスペックを細かく確認しなくても、「最大866Mbps」と書いてあれば、上の表から11acアンテナを2本搭載していることがわかる。また、「2×2」などと書かれている場合は、アンテナが2本あり、MIMO技術を使っていることを意味します。
2.2 アンテナの向きによる影響
基本的にWi-Fiアクセスポイントを中心に四方八方に電波が飛ぶので、家の中心にWi-Fiルーターを設置すれば家中をしっかりカバーでき、2階建ての家の場合は1階や2階の高い位置に設置して、均等に電波が届くようにするのがコツと言えます。アンテナを内蔵するタイプは、Wi-Fiの電波がルーターの周囲を球状に伝わるように設計されています。
自分で調整するタイプのベアアンテナでは、アンテナの角度によって電波強度が変化します。これは、電波などの電気波がある角度から別の角度へ変化することを「指向性」とも表現します。 Wi-Fiの電波は、アンテナに対して垂直に進む性質があります。つまり、アンテナを垂直にすれば水平に飛び、水平に敷けば垂直に飛ぶということです。