集合住宅の三つの配線方式について紹介する

時間:2024-05-23

集合住宅のフレッツ光の配線は、3種類あります。共用スペースに引き込んだ光回線を各戸で共有する「共同利用方式」には、マンション内の配線によって「光配線方式」「VDSL方式」「LAN配線方式」の3つの方式があります。本稿では、この三つの方式について詳しく紹介します。


1 光配線方式について
ステップ(1) 電柱→ビル内共用スペース(MDF室)

電柱からビル内共用スペースに光ファイバーケーブルを敷設し、ビル内端末(PT)に接続する。分波器(当社)、分配器(お客様)を設置後、PTから分波器、分配器に光ファイバーを接続する。多くの場合、MDF室(電話の主配線盤がある)はビル内の共用スペースとして利用されている


ステップ(2) 棟内共用スペース(MDF室)→各戸

「スプリッタ」や「パッチパネル等」から各戸へ、ビル内管路で光ファイバー回線を接続する。各戸に「回線終端装置」を設置する。(1)NTT東日本、(2)お客さままたはNTT東日本。(設備条件により異なる)。配線に必要な配管は、管理組合・オーナー様にてご用意いただきます。詳しくは弊社営業担当までお問い合わせください。


ステップ(3) 各戸内の配線

各戸まで引き込んだ光回線を、「回線終端装置」まで接続をします。


ステップ(4) 各戸内の配線

回線終端装置とパソコンをLANケーブルで接続します。 複数のパソコンを使用する場合は、ブロードバンドルーターを使用した有線接続、または無線ルーターを使用した接続が必要です。回線終端装置とパソコン間の設定は基本的にお客様にて行っていただきます。


2 VDSL方式について
ステップ(1) 電柱→棟内共用スペース(MDF室)

電柱から建物内の共用スペースに光ファイバーケーブルを引き込み、構内端末(PT)に接続する。建物の共用スペースとしてMDF室(電話機が入っているMDF(主配線盤))を利用するケースが多い。


ステップ(2) 棟内共用スペース(MDF室)内の配線

外部からの光ファイバーケーブルをビル端末(PT)に接続し、ビル内の光ファイバーケーブルをPTから「集合回線終端装置」に接続します。回線終端装置から「VDSL集合装置」まではLANケーブルで接続します。回線終端装置」と「VDSL集合装置」は、埃等が入らないようにラックに設置します。(1)(2)の配線・機器設置はNTT東日本が行います。機器およびラックはすべてNTT東日本が用意します。ラックは収容する回線数や設置場所の広さによって様々なサイズがありますので、詳しくは営業担当者にご相談ください。


ステップ(3) 棟内共用スペース(MDF室)→各戸
ビル共用部に設置されている回線終端装置から各住戸までは、既存の電話回線を利用します。電話回線のモジュラージャックを介して、各戸に「VDSL室内ユニット」を設置します。NTT東日本では、(3)に「VDSLインドアユニット」を設置します。(工事内容によっては、お客さまにて「VDSLインドアユニット」の設置が必要な場合があります)。

ステップ(4) 各戸内の配線


VDSL室内ユニットとパソコンをLANケーブルで接続します。複数のパソコンを使用する場合は、ブロードバンドルータを使用した有線接続、または無線ルータを使用した接続が必要です。LANインタフェースとパソコン間のLANケーブルは、通常、お客様で有線接続します。


3 LAN配線方式について

ステップ(1) 電柱→棟内共用スペース(MDF室)電柱からビル共用スペースまで光ファイバーケーブルを敷設し、ビル端末(PT)に接続する。多くの場合、MDF室(電話機が入っているMDF(主配線盤))をビル内共用スペースとして使用する。


ステップ(2) 棟内共用スペース(MDF室)内の配線

ビル外から引き込んだ光ファイバーケーブルをビル内端末(PT)に接続し、PTとビル内の光ファイバーケーブルを「集合線終端装置」に接続します。集合回線終端装置」は埃などが入らないようにラックに設置する。 (1)(2)の配線・機器設置はNTT東日本が行い、機器・ラックは全てNTT東日本が提供する。PTを安定させ、壁に傷がつかないようにするため、PTは木の板の上に設置する。


ステップ(3) 棟内共用スペース(MDF室)→各戸マンションの共用部分と各住戸があらかじめLANケーブルで接続されている場合(一般的に「インターネット対応住戸」と呼ばれる)、各住戸に新たに機器を設置する必要はない。建物内に新たにLANケーブルを敷設する場合は、管理組合・所有者が用意する必要がある。配線に必要な電線管は、既存の電線管を利用してもよいし、管理組合・オーナーが用意してもよい。


ステップ(4) 各戸内の配線

各戸内のLANコネクタとパソコン間はLANケーブルで接続します。複数台のパソコンをご利用になる場合には、ブロードバンドルータによる有線接続や、無線ルータを使った接続が必要になります。LANコネクタとパソコン間のLANケーブルは通常お客さまに配線・接続していただきます。


4 集合住宅で光回線を利用するメリット

集合住宅で光回線を利用するメリットとしては、大きく以下の2つが挙げられます。通信量を気にせずにインターネットが使えることと通信が安定していることである。集合住宅に光回線を開通させて自宅にWi-Fi環境を導入すれば、快適にインターネットが使えるようになります。オンラインゲームや高画質な動画の視聴など大容量のデータ通信が必要なコンテンツを楽しみたい方や、家族みんなでインターネットを使いたい方は、光回線があると快適です。


また、自宅のインターネットとしては、光回線以外にも、ホームルーターやモバイルWi-Fiルーターを利用する方法もあります。光回線はホームルーターやモバイルWi-Fiルーターと比較すると、導入工事が必要になり、多少の手間がかかりますが、通信は安定しています。安定した高速通信が使えるWi-Fi環境を住宅に作りたいと考えているなら、まずは光回線を検討してみるのがお勧めです。


5 集合住宅のフレッツ光の配線方式の問題点と解決策

集合住宅に光回線を導入する際に確認しておきたい注意点はあります。まずは、建物内の光ケーブル敷設にあたり、建物建設時に光ケーブルの配線ルートを確保いただく必要がございます。上記配線ルートの確保に加え、集合住宅内の光ケーブルを予め施工主さまにて敷設頂くことで内装工事の手戻り防止や建物外観を損ねることなく、スムーズな開通が可能となります。また、入居されているテナントさま等にも確実な開通日をお知らせできることから、ご入居者さまがサービスを利用したい際に確実でスムーズなサービス提供が可能となります。配線ラックの耐火処理、天井や壁面等を密閉する前に配線ルートを確保いただかないと、希望日に工事ができない可能性があります。


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