電話回線を使ったインターネット回線を検討する際に、「ADSL」と「VDSL」とういう用語をよく見かけることはありますか?では、ADSLとVDSLはインターネット回線として、どんな特徴も持っていますか?そして、名前が似ている両者の間に、どのような相違点がありますか?この記事では、ADSLとVDSLに関するこれらの疑問について詳しく解説していきたいと思います。
ADSLとは、「Asymmetric Digital Subscriber Line(非対称デジタル加入者線)」の略で、既存の電話回線を利用して高速データ通信を行う技術のことです。ADSLは、下り50Mbpと上り5Mbpsといった現在から見ると高速ではない速度にしか達せないが、1999年にサービスが開始された当初、従来の回線に比べ通信速度が速いことから急速に普及しました。特に、マンションなどの集合住宅のインターネット回線として広く採用されました。
VDSLは、「Very High-speed Digital Subscriber Lines(超高速デジタル加入者線)」の略で、ADSLと同じく既存の電話回線を利用して高速通信を実現する通信方式です。ただし、VDSLでは通信用の物理配線には光ファイバーと電話線が使用されることから、ADSLよりも高速な通信(下り最大100Mbps、上り最大40Mbps) を実現できます。現在、マンションなどの集合住宅では、光ファイバーは建物の共用エリアに引き込まれ、共用エリアからお部屋までVDSL 電話回線が引き込まれます。
ADSLとVDSLは名前が似ていて、ともに電話回線を使用しているネットワーク方式ということで、両者を混同する方もいると思います。では、ADSLとVDSLは、一体どのような相違点がありますか?
ADSLとVDSLの最大な違いは、ADSLはすべての配線を電話回線を使用してインターネットに接続し、VDSLは共用エリアまで光ファイバー回線を使用し、共用エリアから各部屋までは電話回線(金属線)を介して接続します。
配線方式の違いによって、ADSLとVDSL の通信速度にも大きな差異があります。ADSLは自宅までの通信回線がすべて電話回線なので、自宅が基地局から遠ければ遠いほど通信速度も遅くなります。ADSLの最大通信速度は下り約50Mbps、上り約5Mbpsです。一方、VDSLは光回線を使用するため、ADSLよりも通信速度が速くなり、下り約100Mbps、上り約40Mbpsの通信速度を実現できます。
また、VDSLはADSLと違って、配線方式の一部が光回線を使用するため、マンションなどの集合住宅で利用開始時に工事を行う必要があります。ADSLは既存の電話回線だけ使用するため、工事なしで利用を開始できます。
ADSLサービスは、2000年代初頭に広く普及されて以来様々な業者によって提供されていたが、まもなく終了することが決定しました。その原因は、設備の老朽化や、アナログ電話回線自体がデジタル電話回線への切り替え、通信速度の低下などが挙げられます。
ADSLサービスを提供していた各業者は、すでに2019年頃にADSLの新規申請を停止しました。ADSLを利用中のユーザーが新しいインターネット回線へ切り替える余裕を持たせるように、各業者はADSLサービスの最終終了時間をサービスの利用現状に応じて定めました。以下は、ADSLサービスを提供する各業者がサービスを終了する予定時間をまとめました。
Yahoo! BB ADSL:2024年3月(2020年3月以降、一部の地域から順次終了)
4ADSL終了前のネットワーク回線乗り換え先のおすすめ
ADSLサービスがまもなく提供が終了されるため、終了する前にほかのネットワーク回線に乗り換える必要があると、前に説明しました。現在主流のネットワーク回線には、モバイルWi-Fiや光回線などがあります。モバイルWi-Fiはケーブルを使わないので、マンションなどの集合住宅で安定した接続を実現するのが難しいです。また、光回線は安定で通信速度が速いが、建物が工事条件に合うかどうか、どれぐらい乗り換え予算があるのかを考慮に入れなければなりません。実は、既存の電話回線を利用するだけで、工事の手間をせずに、安定で高速なインターネット回線に乗り換える方法があります。
Ruijie Networks Japanは、ADSLやVDSLから光回線に乗り換えにくいお客様に、「既存の電話回線を活用した高速ネットワークソリューションG.hn」を提案しています。G.hnソリューションでは、既存の電話回線を利用するため、屋内配線工事のコストや手間がかかりません。インターネット回線に必要な電話回線スイッチング主装置を各部屋に設置するだけで、すぐに安定で高速なインターネットへアクセスできます。