VDSL(Very high-bit-rate Digital Subscriber Line)とは、集合住宅の配線方式のひとつです。ADSLと同様にDSL方式(アナログ電話回線を利用した配線方式)を利用した接続方式で、既存の電話回線を利用してインターネットに接続できます。この記事では、VDSLとは、VDSL方式のマンションの通信速度はなぜ遅い?工事不要で通信速度を速くできる方法を紹介します。
VDSLとは「Very High Bit Rate Digital Subscriber Line」の略で、マンションなどの住宅地で使われている配線方式の一つで、光ファイバーケーブルと電話回線を組み合わせた配線方式です。VDSLの最大通信速度は下り約100Mbps、上り約50~100Mbpsです。下り速度約50Mbps、上り速度約5MbpsのADSLと比べて高速通信が可能です。
VDSL方式の通信速度は光配線方式の通信速度ほどではありません。光配線方式に比べて通信速度が遅くなる場合があります。VDSL方式が光配線方式よりも遅い具体的な理由は次のとおりです。
VDSL方式では、共用スペースから先の配線は既存の電話回線が使用されます。共用スペースまでは高速通信が可能ですが、各住居までの電話回線速度は最大100Mbpsに制限されており、最終的に利用できる通信速度は最大100Mbpsとなります。VDSL方式では、ボトルネックは電話回線の速度です。
VDSL方式では、マンション内の全住戸で1本の光ファイバー回線を共有します。光配線方式とは異なり、各戸が光回線で結ばれているわけではありません。そのため、土日や夕方などインターネット利用者が多い時間帯は回線が混雑し、通信速度が低下する場合があります。
VDSL方式は電磁波によるノイズの影響を受ける可能性があります。光配線は電磁波の影響を受けない光信号で通信するため、電磁波によるノイズによる通信速度の低下がありません。
一方、VDSL方式は電磁波対策を施していない電話回線を利用するため、電子レンジやテレビなど電波を発する家電製品がある場合、電磁波によるノイズにより通信速度が遅くなる場合があります。
新しいアパートの多くは光ファイバーケーブルを使用していますが、古いアパートでは依然として VDSL が使用されていることがよくあります。この主な原因は、光ケーブルは柔軟に曲げることが難しく、後からの工事での配線が困難であるためです。Ruijie NetworksのG.hn既設電話配線を利用した高速ソリューションを紹介しましょう。
G.hn既設電話配線を継続利用した高速ソリューションは電話線スイッチング主装置RG-HS2310-16GH2GT1XSと電話線スイッチング子機RG-HA3515-DGから構成されています。そのうち、主装置は棟内MDFに設置され、子機は宅内Wi-Fi 6ネットワークを提供します。主装置と子機の間で電話回線を使ってデータのやり取りを行うG.hn (Gigabit Home Networking)技術を採用します。
JaCS統合ネットワーク管理ソリューションは、TR069やMQTTなどの標準化された複数の管理プロトコルをサポートし、WANを介したスイッチ、無線アクセスポイント、ゲートウェイなどの複数のデバイスの統合管理と制御、および運用保守を実現できます。
G.hn技術に基づいて、G.hn既設電話配線を継続利用した高速ソリューションは既存の電話回線(平行線/ツイストペア)を活用してネットワークにアクセスすることによって、従来のADSL (Asymmetric Digital Subscriber Line)/VDSL (Very-high-bit-rate Digital Subscriber loop)よりも高い伝送速度、理論上最大2Gbps PHY (Physical)レート/1.7 Gbpsのネットワーク・スループットレートを提供します。