快適に使えるWi-Fiの通信速度や選び方

時間:2023-05-20

現代社会ではインターネットやWi-Fiを利用してビジネスを行うことが当たり前になっていますが、通信の安定性や速度は環境によって異なります。Wi-Fiの高速化と低速化が適切なタイミングを理解し、自社に適したWi-Fi環境を構築すれば、より効率的に仕事を進めることができるでしょう。この記事では、Wi-Fiの上り下りの通信速度の目安と、企業がWi-Fiを選択できる方法を紹介します。

 

1 Wi-Fiの通信速度「上り」と「下り」の仕組み

インターネットを快適に利用するためには、安定した通信速度が必要です。通信速度を検索すると「上り」「下り」が出てきますが、「よくわからない」という人もいるかもしれません。そこで、まずはWi-Fiの通信速度における「上り」と「下り」の意味を説明します。


1.1 Wi-Fiの「上り」「下り」とは?

Wi-Fi の「上り」「下り」は、それぞれアップロードとダウンロードを指します。「上り」速度が速くなると、インターネット経由でデータをアップロードするのにかかる時間が短縮されます。一方、「下り」速度は、データの受信にかかる時間に影響します。どちらの速度がより重要であるかは、インターネットの使用状況に応じて変化することを理解することが重要です。


1.2 Wi-Fiの速度を測る単位と見方

通信速度の表記に用いられる「kbps」「Mbps」「Gbps」などの単位は、1秒間に送信できるデータ量を表します。基本単位は bps です。スマホや格安SIMではbpsの1,000倍のkbpsやさらに1,000倍のMbpsという表記をよく見かけます。1kbpsで0.125kB/s、1Mbpsで12.5MB/sの通信ができます。

Gbps は Mbps の 1,000 倍です。 1 Gbps。これは現在の光回線の一般的な速度であり、125 MB/sで通信できます。


2 Wi-Fiの上りと下りの通信速度の目安

Wi-Fiの「上り」と「下り」推定速度を知ることは、可能な限り最高のWi-Fi環境を構築するのに役立ちます。用途ごとに適切な速度がわかれば、具体的な改善策を導き出しやすくなります。ここでは「上り」と「下り」の通信速度の目安をご紹介します。

 

2.1 上りの通信速度の目安

一般的には10Mbps~30Mbps程度がストレスなく作業できる通信速度です。ソコンでExcelや Wordを使用する場合など、インターネット上で大量のデータをやり取りすることはなく、一般的なWebサイトの閲覧のみにインターネットを使用する場合は、1 Mbpsで十分です。

ただし、複数人でビデオ通話したり、大量のデータを送信したりする場合は、10 Mbps 以上が必要になります。50Mbps 以上あれば、ほとんどのアプリケーションで快適に通信できます。


2.2 下りの通信速度の目安

通常のビジネスでのサイトの閲覧、電子メールやチャット メッセージの受信には、約 10 Mbps の速度で十分です。ただし、高画質動画の視聴には約 25 Mbps の速度が必要です。

一般的にインターネットをする場合、下りの通信速度が十分であれば、圧迫感なく通信できると感じます。ダウンロード速度が遅いとWebサイトのページの読み込みに時間がかかり、作業効率が低下する場合があります。


2.3 最大通信速度について

インターネット サービス プロバイダーの Web サイトには「最大 1 Gbps」と記載されているのが一般的です。ただし、これは文字通りの「最大」速度であり、実際に達成できる速度ではありません。

実効通信速度はさまざまな要因に影響されるため、供給業者が提示する最大数量だけで判断しないように注意してください。光回線の場合、通信速度は30%~60%程度が想定されます。


3 通信速度が遅くなる要因

インターネットの速度が遅いと感じた場合は、問題の原因を突き止めて、適切な是正措置を講じることができます。ここではWi-Fiの通信速度が遅い5つの原因と改善方法を紹介します。


3.1 接続された端末の問題

まず考えられるのは、接続されているパソコンやスマートフォンに問題がないかどうかです。簡単な解決策は、使用していないアプリを閉じることです。複数のアプリケーションを同時に実行するとメモリ不足が発生し、通信速度に影響を与える可能性があるためです。

また、端末本体を一度再起動することで改善する場合がございます。通信速度に関係なく、パソコンやスマホを使っていて動作が重くなったときに試してみましょう。


3.2 ONUとWi-Fiルーターの問題

ONU や Wi-Fi ルーターなどの装置に焦点を当ててみましょう。通信速度が遅い場合は、一度再起動してみることをおすすめします。電源ボタンがない場合は、電源コードを抜き差しします。長時間の使用によりケーブルの熱や接触不良が発生した場合の改善に有効な方法です。

また、LANケーブルの規格が古い場合、十分な性能が発揮できない場合があります。通信機器を接続するLANケーブルは種類によって通信速度が異なりますので、一般的な光回線の通信速度1Gbpsに対応した「CAT5e(カテゴリー5e)」以上のLANケーブルをご使用ください。

 

3.3 周波数帯の問題

Wi-Fi 電波には 2.4GHzと5GHzの2 つの周波数帯域があります。それぞれに長所と短所があり、その特性が通信速度に影響を与える可能性があります。

帯域の問題により速度が遅いと思われる場合は、周辺機器に干渉しない 5 GHz 帯域に切り替えるか、ルーターの位置を変更することで速度を改善できます。


3.4 Wi-Fiルーターの規格の問題

Wi-Fiルーターには「Wi-Fi4」「Wi-Fi5」「Wi-Fi6」の3つの規格があります。最新の「Wi-Fi6」は、従来の「Wi-Fi4」や「Wi-Fi5」と比べて通信が速いのが特徴です。

2.4GHz周波数帯と5GHz周波数帯の両方に対応した「Wi-Fi6」は、「Wi-Fi5」に比べて理論上最大通信速度が約1.4倍速く、データの送受信がよりスムーズです。また、複数人で同時に接続しても速度が低下することなく効率的に作業が行えます。

Wi-Fiの通信速度にストレスを感じている方は、「Wi-Fi6」を導入することでストレスのないインターネット環境を構築することが可能です。


3.5 IPv4とIPv6の問題

「IPv6」に対応したサービスに変更すると通信速度が向上する場合があります。次世代 IPv6 の導入は、現在普及している IPv4 標準における IP アドレスの枯渇の問題を解決することを目的としています。

IPv6を利用して通信することで、特にインターネット利用者が多い場合に速度の遅さにストレスを感じていた方でも、通信速度の向上を実感できるでしょう。通信先がIPv6に対応していない場合でも、IPv4環境に対応したデュアルスタック接続サービスをご利用いただければ問題ありません。


4 法人向けに選ぶWi-Fiのポイント

ビジネスでWi-Fiを利用する場合、より高い性能が求められます。電波の届く範囲の広さや安全対策、故障時のサポート体制などさまざまなことが気になりますよね。ここでは、安定・安全な企業向けWi-Fiを選ぶポイントを解説します。


4.1 電波の範囲

ビジネスには電波の届く範囲が広いWi-Fiを選びましょう。建物内にWi-Fiの電波が届きにくい場所があると、ビジネスの展開に支障をきたします。

大規模なオフィスや複数のフロアがあり、1 台のルーターではカバーできない場合は、中継器の設置やメッシュ ネットワークの構築を検討してください。


4.2 同時に接続できる端末数

同時接続数が多いWi-Fi機器を選ぶこともビジネス用途では重視すべきポイントです。オフィスや大規模施設では、多くの人が同時にWi-Fiを利用しても安定した通信を確保する必要があります。

Wi-Fi機器によって接続可能台数が異なるため、社内の環境に合わせてWi-Fiを選択する必要があります。


4.3 セキュリティ対策

機密情報の漏洩を防ぐために、セキュリティ対策が万全なWi-Fiを選びましょう。社内の人だけでなくゲストも利用できる場合、接続先を物理的に分ける方法があります。

オフィス用Wi-Fiを不特定多数の人に開放するのは危険です。セキュリティ対策がしっかりしている端末やサービスを選び、必要なだけ利用するのがベストです。


4.4 サポート保証

ビジネスで利用する場合は、サポート体制が充実しているWi-Fi接続サービスをお選びください。ビジネス Wi-Fi に問題があると、機能しなくなる可能性があります。機能と価格に基づいて選択する傾向がありますが、システムのサポートがどの程度充実しているかも同様に重要です。

まとめ

業務効率の向上と顧客満足度の向上には、最適なWi-Fi環境を構築することが重要です。Wi-Fiの速度は「kbps」「Mbps」「Gbps」で表されますが、高速通信したい場合は大きい数字を選びましょう。Wi-Fi 通信が遅い原因と改善方法を理解し、ビジネスに適した Wi-Fi を選択することも重要です。

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